1面記事】 

シャープ、新規事業の取り組み説明

5つの領域で積極展開 

シャープは6月10日、新規事業分野の取り組みについての説明会および試作機等のデモンストレーションを同社の天理工場(奈良県天理市)で行った。これは5月14日に発表した「2015年に向けた中期経営計画」の中で今後開拓をすすめる新しい事業領域の概要を報道に公開したもの。
 説明会で新規事業推進本部長の水嶋繁光副社長は、「当社はこれまで強みのある技術を多数持ちながら既存の事業や既存のチャネル、既存の商材の領域でしか勝負をせず、挑戦する風土≠ェ乏しかった。マーケット目線での商品企画・モノ作りに課題があった。今後は新たな風土・しくみを醸成していく。そうしたシャープの本気度を、大阪の本社ではなく開発の総本山ともいえるこの地で見ていただこうと思った。積極的に戦略的パートナーとアライアンスを行うなど、新しい5つのエリアに打って出たい」と真意を述べ、狙いを語った。
 5つの新規事業領域は、「ヘルスケア・医療」「ロボティクス」「スマートホーム/モビリティ/オフィス」「食/水/空気の安心安全」「教育」、および「革新商品」。

  

リコー

北米の感熱紙生産ライン増強

中南米市場など需要増加に対応 

リコー(三浦善司社長)はこのほど、北米市場での需要増加に対応すると共に、中南米市場の新たな開拓に向けて、高付加価値用途の感熱紙の生産ラインを増強した。約50億円を投資して、米国の生産子会社であるリコーエレクトロニクス(REI)ジョージア工場内に新たにサーマル施設を増築し、米国での年間生産能力を大幅(従来比約2倍)に拡大する。
 リコーは、食品POS、宅配、医療用、航空会社のバッゲージタグのバーコードなどを主用途とする耐久性のある高付加価値の感熱紙を開発・生産・販売しており、世界の多くの地域において高いシェアを獲得している。
 これは、感熱紙ファクス等で長年培ってきた技術力を基に、感度の高さ(低エネルギーで発色)と耐久性を両立させる高度な技術に裏付けられているもの。米国での同事業は1985年にスタートし、2012年度には狙いとする市場でのシェアは50%を超え、着実に実績を伸ばしてきた。

  

ムラテック

複合機のモバイル連携アプリ

出先からFAX送信可能に 

村田機械/ムラテック販売(本社=京都市伏見区)は、「Information server(インフォメーション・サーバー)5」(Is5)を搭載した複合機のモバイル連携機能を拡張するタブレット/スマホ向け無償アプリケーション「IsMobile app」を今年の1月から提供し、小規模ユーザー等から好評を得ている。
 「IsMobile app」は、『FaxReply』と『ScanPost』、『FocusPrint』の3つのアプリケーションを備えている。
 なかでも業界初の機能として注目を集めているのが『FaxReply』。これは、複合機で受信したファクス文書をクラウドのオンラインストレージやGmailに自動配信することで、外出先からタブレット端末やスマートフォンで閲覧・編集・返信指示までを一連の操作で行える、ファクス業務効率UPに特化した専用アプリケーション。ムラテック販売はビジネスチャンスを広げる新ソリューションとして提案している。
 例えば、個人経営のような形態で販売等を営む担当者が商品配達中に他の顧客から注文変更のファクス文書が届いた時など、外出先で文書に書き込みを加えて即座にファクスでの返信が行えるというもの。日中に事務所に誰もいなくなってしまうというユーザーは意外と多く、「事務所に戻って作業しなくてもよくなった」と大変好評だという。

  

2面記事】 

理想科学、新開発拠点(つくば)竣工

独自性ある製品 世界へ発信 

理想科学工業(羽山明社長)の新開発拠点「理想開発センター」(茨城県つくば市)が竣工した。これまで茨城県内4か所に分散していた拠点を集約し、つくばエクスプレスの研究学園駅の南側に新たな開発拠点として設立したもの。「開発者が自由な発想を育むための開発環境を提供する」「コミュニケーションを促進することで開発効率の向上を図る」のが狙い。6月5日に内覧会を開催した。
 遠藤喜八郎常務(コーポレート本部長)は、「当社は開発ポリシー『世界に類のないものを創る』のもと、これまで『リソグラフ』『オルフィス』など独自の製品を開発してきた。理想開発センターからは、世界のお客様に向け独自性のある製品・ソリューションを提供していく」と語った。
 「理想開発センター」の建物は、2階から7階を吹き抜けとした開放感のあるアトリウムを中央に配し、7階には屋上庭園を備えている。フロアレイアウトは開発者の交流を促進する配置とした。組織の枠を越えて自由に交流できるコミュニケーションスペースを随所に設け、設計エリアには個々の作業スペースに加えて、開発者同士が意見交換を行うための共有スペースを設けている。事務スペースは開発テーマの進行に応じて最適な配置を取り入れられるよう、固定席を設けずフリーアドレスとしている。

  

ポリコムジャパン

高品質の会議システム展開

「UC」で新たなニーズ創出へ 

ポリコムジャパン(本社=東京都千代田区)は先月、最新のビデオ会議システムなど進展する映像コミュニケーションへの取り組みについて発表した。
 1992年に音声会議システム「サウンドステーション」を発売した米国ポリコム社は、その後さまざまなコミュニケーション製品を市場に投入し、近年は高品質のビデオ会議ソリューションを展開している。
 昨夏は社名のロゴマークを変更した。日本法人ポリコムジャパン・営業技術部の是枝日登志部長は「ハード機器を販売する会社から、ソフトウエアに軸足をおいてソリューションを提供する企業へと変身した」とブランドイメージを刷新した経緯を強調する。
 現在のビジネスライフを映像コミュニケーションの視点で見ると、モバイル端末が普及、クラウドでのデータ提供、ソーシャルメディアの利用者が増加するなど、ネットワークのインフラ整備がすすみ、用途は多様化している。
 このように大きく変化する市場環境の現状をとらえ、新たなニーズを創出するキーワードとして、同社マーケティング部の常松正樹部長は「UC」(ユニファイドコミュニケーション)を指摘する。