1面記事】 

キヤノンMJ、POP作成システム投入

流通業向けプリンタ事業強化

「消耗品」「保守サービス」なども 

キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ、川崎正己社長)は、業種・業務別にソリューションを提供するレーザープリンタ事業を強化する。グループ企業の昭和情報機器のPOP(店頭販促)作成システム「ポップエース」を8月23日に発売し、流通・小売市場向けにレーザープリンタや消耗品、保守サービスなどを組み合わせて販売する。
 キヤノンMJグループは、2011年から開始している5か年計画「長期経営構想フェーズU」の重点戦略において「キヤノン製品のシェア拡大」を掲げ、ビジネスソリューション分野では複合機およびレーザープリンタのMIF(市場稼働台数)とドキュメントボリュームの拡大を進めている。
 レーザープリンタの国内市場規模は、2012年の出荷台数が約86万台で、2013年は横ばいから微減で推移する見込み。マーケットの約7割を占める一般オフィス市場は、複合機への集約化やMDS(マネージドドキュメントサービス)の影響で縮小する一方で、市場の約3割を占める流通・小売り、医療などの業務システム市場は、業界再編や店舗数の増強、顧客サービスの拡充を背景に年々拡大している。

  

ブラザー工業

フィリピン工場拡張

さらにシェア拡大めざす 

ブラザー工業(小池利和社長)の子会社であるブラザー・インダストリーズ・フィリピン(伊藤敏夫社長)は8月12日、マニラ近郊にあるバタンガス州ファーストフィリピン工業団地内の同工場内で開所式を実施した。ブラザー・インダストリーズ・フィリピンは、インクジェットプリンタ・複合機のインクカートリッジの生産拠点。
 開所式には、フィリピン共和国政府からベニグノ・アキノ3世大統領、グレゴリー・ドミンゴ貿易産業大臣、ライラ・デリマ経済区庁長官、日本政府から卜部敏直フィリピン駐箚特命全権大使が出席したほか、ブラザーグループからは、ブラザー工業・小池社長、三輪祐司執行役員が出席した。
 ブラザー・インダストリーズ・フィリピンは、主力のプリンティング事業のさらなる成長を見据え2012年3月に設立。現在はインクジェットプリンタ・複合機のインクカートリッジの生産拠点として稼働している。
 今後については、同社敷地内に第2工場を設立し、順調に進めば、来年以降インクジェットプリンタ・複合機の本体製品の生産も開始する。従業員は2015年度までに既存工場と合わせ約3千500人程度を雇用する予定。

  

リコージャパン

情報共有で復興加速

「電子白板」東松島市に貸与 

リコージャパン(佐藤邦彦社長)は、宮城県東松島市に2014年3月31日まで「インタラクティブホワイトボード D5500」を貸与する。
 東松島市での防災集団移転や新しいコミュニティづくりの協議、学校の再建などの各種会議において、インタラクティブホワイトボードを活用することで、復興に関する会議の効率化や情報共有で復興の加速を支援する。
 将来的には、出先庁舎とテレビ会議・Web会議システムで接続し、テレビ会議システムの画面とインタラクティブホワイトボードの画面を同時に映すことも検討。遠隔地と会話をしながら書き込み内容も同時に共有するなど、情報共有や配信について、さらに効率化が図れるよう、提案、支援していく。
 「インタラクティブホワイトボード D5500」は、オフィスをはじめとしたさまざまな場所における会議や、ブレーンストーミングなどコラボレーションを円滑にするツールとして、2月5日に発売した。PCやタブレット端末、スマートフォンなどの情報機器を接続するだけで、大画面を見ながら共同作業を始めることができる。

  

2面記事】 

京セラDS

IBMのクラウド・サービス採用

「グローバルCRM」拡大めざす 

京セラドキュメントソリューションズ(駒口克己社長)は、グローバルで統一したCRMシステムである「FOCUS(フォーカス)」の構築に、日本IBM(マーティン・イェッター社長)のクラウド・サービス「IBM SmarterCloud Enterprise+(IBM SCE+)」を日本企業として初めてグローバルに採用し、8月から本格稼働を開始した。
 ビジネスにおけるドキュメント環境が大きく変化する中、京セラドキュメントソリューションズはさまざまなビジネスアプリケーションや最適なドキュメント環境の提案を組み合わせ、顧客を継続的にサポートするトータルドキュメントソリューションの提供をグローバルに展開している。
 「FOCUS」とは、顧客管理、販売管理、予測管理、商談管理、マーケティングなどの業務を行うグローバルで統一したCRMシステム。FOCUSの導入により、これまで国ごとに行っていた顧客管理などの業務を、統一されたガバナンスのもとで一元管理できるようになり、迅速かつ最適な顧客対応を実現できるうえ、マネジメントの精度も向上する。

  

「旅の記録」を集大成

大塚実氏、『私の旅の足あと』上梓 

大塚商会名誉会長の大塚実氏がこのほど、「好きな旅の記録」を集大成した『私の旅の足あと(国内編・海外編)』を上梓した。
 大塚氏は現在90歳。1961年、38歳で大塚商会を創業し、2000年7月には東証1部に上場。翌年、長男の裕司氏が社長に就任したことに伴い、会長に退いた。代表取締役は2004年3月に退任した。
 もともと旅行が好きで、国内外各地を旅行してきた大塚氏は、その時の写真のアルバムに見出しをつけて整理し、時々それを見ることが楽しみだった。それらを業界紙「BCN」にコラムとして3年半連載した。
 代表取締役退任後は、時間に余裕ができたこともあり、これまで行きたいと思っていたところにも行けるようになった。世界一周4回を含め、退任後に国内外各地をくまなく訪れた旅行記を、先述のコラムに書き加え、再編してまとめたのが同書である。
 国内と海外のこれまでの旅を整理しながら、経営者の目線で社会風景を記しているのが出色。文章、写真は大塚氏がすべて執筆、撮影した。
 大塚氏は、第2の人生のライフワークとして、日本の美しい自然の保護と失われた景観の再生に、私費を投じて取り組んでいる。