1面記事】 

キヤノン

クラウドサービス基盤構築

「3つの視点」でグローバル販売展開 

キヤノン(内田恒二社長)は、新たにクラウドサービス基盤「Canon Business Imaging Online」を構築、オフィスの生産性向上や業務プロセス改善を支援するクラウド型ドキュメントサービスをグローバルに展開する。日本では8月下旬、北米市場では年内から順次サービスの提供を開始していく。
 昨今、短期間での業務システムの構築や低コストでのサービスの提供が可能になり、クラウドサービスを導入する企業が増えてきている。
 同社は、新たにクラウドサービス基盤「Canon Business Imaging Online」を構築し、「複合機の機能拡張」「機器の運用管理」「他社サービスとの連携」の3つの視点からクラウド型ドキュメントサービスをグローバルに展開していく。
 同サービスの展開にあたっては、これまで同社で培ってきたドキュメント処理関連技術、インターネットサービスの開発力・運用力・販売力を総結集させ、人員を大幅にクラウド分野にシフトし、体制の拡充を図っている。

  

スマートフォン拡大傾向示す

MM総研 携帯・スマホ市場予測

11年度 出荷400万台突破へ 

MM総研(中島洋所長)は7月7日、2015年度までの携帯電話およびスマートフォン市場規模の予測を発表した。それによると、2011年度の携帯電話出荷台数は前年比7・6%増の4千50万台となり、2007年度の5千76万台以来4年ぶりの4千万台超えが見込まれる。今後も4千万台規模での推移が続くと予測する。
 同社は、2010年度に本格化したスマートフォン市場が、2011年度以降にはさらに加速していくこと、2011年度下期に発売されることが想定されるLTE対応スマートフォンや、ディスプレイやプロセッサ(CPU)性能の向上など、ネットワークの高速化とハードの性能進化が買い替え需要を喚起すると分析した。
 2010年度のスマートフォン出荷台数は前年比3・7倍の855万台で総出荷台数に対するスマートフォン出荷台数比率は22・7%となった。2011年度は前年比2・3倍の1千986万台で総出荷台数の49・0%を占めると予測する。

  

ガートナージャパン

震災後の国内ICT市場予測

11年低迷も12年回復へ 

ガートナージャパン(日高信彦社長)のリサーチ部門は7月11日、国内ICT市場規模予測に関する最新の調査結果を発表した。それによると、2011年(暦年)のICT市場規模は3月11日の東日本大震災の影響により、前年比でマイナス1・2%の28兆9千800億円となると見込んでいる。しかしながら、2011年後半から徐々に回復し、2012年にはプラス1・2%の29兆3千350億円に回復すると予測している。
 企業における2011年(年度)のIT予算額の増減傾向を震災前と震災後で比較した調査結果を見ると、速報値ではあるが、震災後に予算額を減少させたと答えた企業は8%未満であり、90%が震災前から変更なしと答えている(残りは増加と回答)。
 ほとんどの企業が震災前から変更なしと答えた理由について同社は、「多くの企業で震災前に2011年度の予算額がほぼ決定しており、震災(計画停電含む)でビジネスに直接の大きなダメージを受けた企業以外は予算額を変更しなかったため」とみている。

  

2面記事】 

矢野経済、オンデマンド印刷市場調査

ソリューションサービスへ転換加速

従来型ビジネスモデルから脱却図る 

矢野経済研究所(水越孝社長)は7月20日、オンデマンド印刷市場の調査を実施した。オンデマンド印刷市場とは、商業用デジタル印刷機で印刷された印刷物、及び印刷サービスで構成された市場を指し、印刷業を主事業として展開している事業者での実績に基づく。有版の印刷機による印刷物は含まない。今回から市場規模の算出方法を変更したため、数値も過去に遡って再算出した。
 1990年代中盤から活用され始めたオンデマンド印刷は、小ロット・短納期を低価格で実現できるというオフセット印刷の代替としての効果が謳われ、急速に普及していった。
 1990年後半から、アウトソーシング需要を取り込んだデータプリントサービス(以下DPS)が10%前後の高い比率での成長を続けてきたことにより、このDPSを牽引役とし、これまでオンデマンド印刷市場は年々順調に拡大してきた。
 印刷業界全体において、外部環境悪化に加え、ITメディアの成長により、紙媒体の相対的な価値低下も顕在化しており、いよいよ印刷業においても付加価値サービス業への転身が迫られている。

  

『震災被害を乗り越えたトナー業界展望』

データ・サプライから2011年版発刊 

データ・サプライ(山本幸男社長)は、トナー関連業界の材料動向とサプライチェーンを再検証する2011年版トナーマーケット総覧『震災被害を乗り越えたトナー業界の長期展望』を8月25日に発刊した。
 2010年の複写機(MFP)、プリンタ、FAX等のハードウェアの出荷台数は大きく復活し、これにより、消耗品であるトナーの出荷量は2008年ベースを抜く勢いを示していた。どのメーカーも電子写真業界の復活をイメージづける大量生産の勢いが戻り、「リーマンショック」は過去の出来事になりかけていた。
 そこに降って沸いたような3月11日の「東日本大震災」が襲った。部品不足、トナーの材料不足で一時大混乱に陥ったが、やっと見通しがつき、落ち着きをとり戻し始めた。
 国内メーカー(トナー、部材)の一時的な供給不足は海外メーカーにとってもマイナスだが、その間シェアを上げようとの動きもあった。また、一時的に材料のサプライチェーンに変化が起き、今後4〜5年先にも影響が出始めるともみられる。

  

「京都“流”議定書」イベント第4弾

311後の日本を考察

価値観の転換など促す 

京都流議定書イベント実行委員会(岡村充泰実行委員長)は7月22〜24日、京都市東山区のハイアットリージェンシー京都で、シンポジウム「京都流°c定書2011」を開催した(共催=京都市、協賛=ウエダ本社)。
 これは、2008年にウエダ本社が創業70周年記念式典の際に併催した同イベントの第4弾で、経済界や行政、市民、学生等が横断的に京都の価値を掘り下げていこうとする取り組み。今回は価値観の大転換〜生き方、ライフスタイル、価値観の大転換を京都から〜≠ニいうテーマを掲げ、講演やセミナーを通じて東日本大震災発生以降、これからの日本はどうあるべきかを多面的に考察した。
 開会式の冒頭、門川大作京都市長は「今年1月、京都市役所内に観光立国・日本 京都拠点」が設けられ、観光庁と京都市の共同プロジェクトがスタートした。これは2年前のこのイベントで当時の観光庁長官と鼎談を行ったことが契機となっている。岡村実行委員長はじめウエダ本社の方々のように、仕事以外に世の中のために幅広く行動される方々が京都におられるからこそ、このような催しを今年も迎えることができたのだと思う」と挨拶した。