1面記事】 

シャープ、省エネパネルの生産開始

世界初で市場開拓めざす

PC・タブレットなど幅広く供給 

シャープ(奥田隆司社長)は4月13日、世界で初めて、酸化物半導体(IGZO=In〈インジウム〉、Ga〈ガリウム〉、Zn〈亜鉛〉から構成される酸化物)を採用した高性能な液晶パネルの生産を、亀山第2工場で開始し、本格的な生産に移行した。酸化物半導体(IGZO)を用いた薄膜トランジスタは、半導体エネルギー研究所(山ア舜平社長)と共同開発した。
 亀山第2工場は、2006年8月から稼動し、最先端のテレビ用液晶パネルを生産してきた。一方で世界的に需要が急拡大しているモバイル機器向けの中小型液晶パネルの生産体制の構築を図るべく、同工場の既存ラインの改造を進めてきた。
 今回生産を開始した液晶パネルは、新材料である酸化物半導体(IGZO)の採用で、従来に比べて薄膜トランジスタの小型化が図れ、1画素あたりの光の透過量を高めることができるため、低消費電力化が可能になった。
 また、液晶テレビAQUOSで採用しているUV2A(Ultraviolet induced multi‐domain Vertical Alignmentの略。シンプルなパネル構造で、液晶分子の向きを精密に制御できる光配向技術)技術で培った光配向技術の活用により、高品位表示を実現している。

  

コニカミノルタ

アジア展開力強化

情報機器の事業拡大へ 

コニカミノルタビジネステクノロジーズ(山名昌衛社長)は4月12日、アジア地域での情報機器の事業拡大と展開力強化を図るために、シンガポールおよびアラブ首長国連邦(UAE)に地域統括会社を発足させるとともに、ベトナム・トルコに販売会社、タイに事務所を新設する。今後は、マーケティング支援や顧客へのサービス向上を目指した販売展開をより積極的に行っていく。
 従来、アジア地域における情報機器の販売活動は、各国の販売会社および現地代理店を通して個々に行ってきた。しかし今後、同地域のさらなる市場の拡大が見込まれることから、販売活動において直接的なマーケティング、顧客支援、教育などを行うことが重要であると判断した。
 今回、東南アジアおよび中東地域統括会社の発足と直轄の販売会社及び事務所の設立を通じて、現地の市場ニーズに応えるスピーディで質の高い販売およびサポート体制の強化を図るとともに、同地域における同社の一層のプレゼンス向上を目指す。

  

京セラDS

モバイルアプリ提供

業務の効率化・簡素化実現 

京セラドキュメントソリューションズ(駒口克己社長)と京セラドキュメントソリューションズジャパン(古賀真社長)はこのほど、同社のプリンタおよび複合機と連携できる無料アプリケーション「KYOCERA Mobile Print」をiPhone/iPad/iPod touchおよびAndroid端末向けに提供した。
「KYOCERA Mobile Print」は、iPhone/iPad/iPod touchおよびAndroid端末からWi‐Fiネットワーク上の互換性のある同社プリンタと複合機に接続することで、モバイル端末からの印刷や、スキャンデータの取り込みなどが可能になる。
 同アプリケーションを使用することで、モバイルユーザーの日々の業務の効率化、簡素化に貢献する。
【利用できる主な機能】
@デバイス検索
 同社プリンタや複合機を、Wi‐Fi経由で検索する。
A印刷
 モバイル端末に保存されている写真、文書、ウェブページなどが印刷できる(対応拡張子:PDF、JPEG、PNG、TXT、HTMLなど)

  

2面記事】 

プラス

「翻訳」「デザイン」「印刷」を一体化

「ワンストップサービス」スタート 

プラス(今泉公二社長)の社内カンパニーであるジョインテックスカンパニー(カンパニープレジデント・淺野紀美夫常務)は、GMOスピード翻訳(古谷祐一社長)およびジェイプリント(長屋博社長)と提携し、英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語を対象とした翻訳と印刷物のデザイン・制作を一括して承る「翻訳ワンストップ」サービスを4月23日から開始した。
 アジアをはじめとした海外への進出を計画する企業や、海外からの観光客誘致を期待する自治体、訪日外国人の来店促進を考える小売業など、国際化が進む中、英語だけでなく、中国語や韓国語の翻訳ニーズが高まっている。また、それに付随して外国語のチラシ・パンフレット等の文書を印刷する機会も増加している。
 これまでは、翻訳と印刷は別業務と捉えられ、それぞれの専門業者へ依頼するのが一般的で、手配が煩雑になりがちだった。そこで同サービスは、ジョインテックスと提携する全国の文具販売店が顧客窓口となり、3社のシームレスな連携によって、翻訳・デザイン・印刷のワンストップサービスを実現。業務効率の向上と短納期・低価格化を図り、利便性の高いサービスを提供する。

  

山櫻

デザインコンペ表彰式開く

選出6作品を商品化 

山櫻(市瀬豊和社長)は、4月4日、八王子の森工場で、東京造形大学の学生が来年の企業向け年賀状のデザインを競った「NENGA DESIGN COMPETITION2013」の表彰式を盛大に行った。栄えある最優秀賞には、佐藤穂奈美氏が受賞。同氏は山櫻賞と優秀賞も獲得し、トリプル受賞となった。
 市瀬社長は、「八王子の森工場の近隣に位置し、産学協同のプロジェクトに積極的である東京造形大学のグラフィックデザイン専攻領域と共催して、NENGA DESIGN COMPETITION2013を実施した。この取り組みは東京造形大学、山櫻ともに、巳年(2013年)の元旦に使用される年賀デザインを対象として、初の試みとなるデザインコンペである。200点強の応募があり、その中から選ばれた6作品を商品化する。東京造形大学とは、今後もモノ作りへのご協力を頂ければ」と今後への期待を述べた。
 入賞者は、最優秀賞、優秀賞、山櫻賞に佐藤氏(デザイン学科グラフィックデザイン専攻領域3年)、入選に谷口マサ(同)、築地亜希乃(同)、西村鮎美(同)各氏らが受賞。
 同大学の美澤修教授は「年賀状はグラフィックデザインとして難しい商品。買われる方と受け取る方の2つのお客さまを見る必要がある。全体的にはクオリティの高い作品が多かった」と講評した。