1面記事】 

東芝テック・OKIデータ

MFPを共同開発

MPSなど提案力強化へ 

東芝テック(鈴木護社長)とOKIデータ(平本隆夫社長)は6月14日、MFP(複合機)の共同開発に合意し、東芝テック製MFPへのOKIデータ製デジタルLEDプリントヘッド採用をはじめ、商品・技術の共同開発を本格的に開始する。今回の共同開発の本格化により、両社は互いの得意技術を組み合わせた共同商品開発、基幹技術の相互供給を行い、短期間でそれぞれの事業を補完する。
 世界のオフィス印刷市場においては、MPSに代表される、印刷業務や印刷機器管理の受託サービスやプリント環境を評価した結果に基づく最適化提案など、顧客の業務の生産性向上とコストダウンを実現するサービスに対するニーズが高まっている。
 この流れを受けて、高度化・多様化するハードウェアやソフトウェアに対して求められる高い技術水準の実現、オフィス内のすべての印刷装置を供給する幅広い商品の展開、ならびに開発期間や開発コストの削減が両社の課題となっていた。
 東芝テックは、A3サイズ対応MFPで高い品質の商品を提供しており、北米・欧州・中国を中心に高い実績がある。OKIデータは、近赤外線を発光させるLEDをドライバICと常温接合させる独自技術により実現した小型プリントヘッドを搭載し、コンパクトで高い信頼性のプリンタで、日本・欧州・中南米を中心に高い評価を得ている。

  

シャープ、経営戦略説明会開く

独自のビジネスモデル展開

オンリーワン追求 積極的に事業拡大 

シャープは6月8日、2012年度の経営戦略説明会を開催した。奥田隆司社長は、「堺工場の安定稼働」「大型液晶事業のオフバランス化と競争力アップ」など復活に向けたシナリオを説明し、「ホンハイとの新しい垂直統合で、コモディティ化したデジタル商品分野の中でも、逃げるのではなく、積極的に事業拡大していく。4千億円規模の財務改善にも取り組む」と積極的な姿勢を披露した。
 奥田社長が「復活に向けたシナリオ」の第1に挙げたのは、大型液晶パネルを生産する堺工場の安定稼働である。既に堺工場を運営するシャープディスプレイプロダクト(SDP)にホンハイグループの出資を受け入れ、生産した大型液晶パネルのうち、半数をホンハイが引き取ることで合意している。これを当初予定の10月頃から2012年度第2四半期に前倒しする。「堺工場は第2四半期以降も90%程度の稼働率を見込む」とした。
 7月にはシャープ本体から大型液晶事業を切り離し、SDPに移管する。「シャープの大型液晶事業本部に籍を置く約1300人がSDPに異動する予定。シャープから大型液晶事業はなくなるが、ホンハイとの協業という新たな枠組みで生産を続ける」(奥田社長)。

  

コニカミノルタ

フランスIT企業を買収

SMB向けサービスに注力 

コニカミノルタビジネステクノロジーズ(山名昌衛社長)は6月4日、フランスの販売会社(Konica Minolta Business Solutions France、以下KMBF)を通じて、フランスのITサービスプロバイダーであるSerians社を買収した。
【背景と狙い】
 Serians社は、フランス北部を中心に、ITサービス事業とドキュメントソリューション事業を組み合わせたさまざまなサービス事業をSMBの顧客向けに展開している。IT資産管理やセキュリティ対策、出力機器管理、法人向けITトレーニングの実施など、高度で多様なニーズに応えるサービスの提供を通じて顧客から高い評価を得ている。
 今回の買収でKMBFは、Serians社の保有するノウハウやナレッジを獲得し、IT投資に関するコンサルティングやIT活用による業務全体のプロセス改善提案など、SMBの顧客にニーズの高いITサービスを提供できるようになった。
 IT関連業務の効率化や遠隔操作によるITサポート対応など、新規事業領域となるITサービスのプロバイダーとしての事業展開をスピーディーに実現する。

  

リコージャパン・シスコ

クラウドでUC提供

中小企業向け通信分野で協業 

リコージャパンとシスコシステムズは6月5日、通信コミュニケーション分野で協業すると発表した。中堅中小企業のビジネスコミュニケーションを支援するサービスとして、ユニファイドコミュニケーションを実現するクラウドサービスと運用管理の支援サービス、各種デバイスなどを組み合わせてワンストップで提供する「リコービジネスインターネットサービス」を10月から提供開始する。
「リコービジネスインターネットサービス」は、これまで自社内に設置していたPBX(構内交換機)の機能、内線/外線電話、メール、Web会議やビジネスチャットなどのコミュニケーションを行うためのアプリケーションをクラウドサービスで提供する。アプリケーションには、シスコの「Cisco Unified Communications Manager」などを採用。IP‐VPNサービスもリコージャパンがワンストップで提供する。音声、データなどをIPネットワークに統合し、相手の状況に応じて、最適で効率的なコミュニケーションを図ることが可能になる。
 シスコ製のIPフォンや、各社スマートフォン、タブレット端末などのハードウエアの一括導入にも対応する。料金は、社員100人規模で2拠点の中堅企業向けで月額20万円程度になる見込み。

  

2面記事】 

JP2012

印刷市場をより活性化

地域情報インフラ向上へ 

JP産業展協会主催による「JP2012情報・印刷産業展」が6月14日〜16日、大阪市住之江区のインテックス大阪で開かれた。36回目の今年の開催テーマはデジタルタウン構想inJP=B印刷業者とソリューション提供メーカー、ユーザーが直接やり取りできる場を提供し、デジタル環境が進化する中これまでのあり方をどう変えていくか模索しながら、印刷市場の活性化と地域情報インフラの向上を目指した。出展規模は76社214小間。
 コニカミノルタビジネスソリューションズは、ライトプロダクション市場向けカラーデジタル印刷機をはじめオフセット印刷用CTPシステムやデジタルプルーフの展示を行うとともに、「モノ売りからコト売りへ。印刷会社とクライアントの架け橋」をコンセプトに、顧客の期待を超える価値提供メッセージを発信。世界初の高彩度トナーによって強い印象を与えるカラー制作物なども披露した。
 デュプロは、200枚/分の高速印刷と高解像度出力、低ランニングコスト、低消費電力のインクジェットオンデマンド出力機で多品種小ロット印刷を提案。また、「筋を入れて折る」といった既存の製本機ではできなかった機構を搭載した鞍掛け中綴じ折り製本機を実演したほか、A4サイズ横開き(A4ランドスケープ)やCDジャケットサイズのプロダクトを披露。

  

「JIIMAセミナー2012」開く

ECMで業務改善

e文書法へ提言も 

日本画像情報マネジメント協会(略称JIIMA、高橋通彦理事長)は「JIIMAセミナー2012」を5月18日(東京・国際ファッションセンター)、6月7日(大阪・大阪産業創造館)で開催した。
 今回は、「事業継続、業務改善をリードする統合文書情報マネジメント(ECM) 〜事業継続にも重要なe‐文書法の最新動向〜」をテーマに、東京で18セッションに延べ2千770名、大阪で4セッションに延べ459名の申込みがあった。
「ECM市場の最新動向とJIIMAの活動」と題した基調講演で高橋理事長は、「3・11震災後、復興の気運が上昇しかけたが、さまざまな経済問題が起こり気流に乗れないのが現状。しかし、新しい動きは出てきている。苦しいなかでもやるべきことをしっかりやっておられる企業もあるし、新たな政策も出ている。今日はそのいくつかをご紹介したい」と前置きし、ECM市場の動向と政策提言、今年度のJIIMAの活動について説明した。
 国内の市場調査では、震災後に具体的な取り組みを実行または予定しているユーザーが増加。サービスの導入状況ではデータセンターのバックアップ対策と紙文書の電子化の導入率が約6割と高く、次いでクラウド、テレワーク、SNS。事業継続(BCP)や災害復旧(DR)対策では計画の見直しや新規立案を考えているのは約半数。