1面記事】 

ブラザー、高速IJプリンタ投入

ビジネスユーザーへ攻勢

帳票・OD印刷市場開拓へ 

ブラザー販売は9月5日、1分間に100枚のA4モノクロプリントが行える高速インクジェットプリンタ「HL‐S7000DN」を11月中旬に発売すると発表した。「コンパクト&高速印刷」「高印字品質」「低コスト&エコロジー」の特長をそなえ、プリント出力のボリュームが高いビジネスユーザー層を新たなターゲット領域として攻勢をかける。
 発表会でブラザー販売・片山俊介社長は「当社は中期戦略として2015年度に売上高7500億円、そのうちP&S(プリンティング&ソリューション)事業4650億円を目指している(2011年度は3372億円)。今後は既存の領域(SOHO・SMB市場)で確固たるポジションを維持・拡大しつつ、新しい領域としてプリントボリュームの高いユーザー層に注力していく」と方向性を語り、新製品の特長として、「コンパクト&高速印刷」「高印字品質」「低コスト&エコロジー」をあげ、「新しいカテゴリーの製品をラインアップに加えることで、より多くのお客様にブラザー製品をご提供し、プリンタメーカーとしての存在感を高めていく」と抱負を述べた。

  

シャープ

12年度下期に黒字化

「生活創造企業」めざす 

シャープは9月14日、翌15日に創業100周年を迎えるにあたり、奥田隆司社長が社員に向けて訓示を行った。午前10時から行われた訓示では、大阪市の本社メイン会場に約2千500人の社員が参加。国内外の拠点に向けて配信した。国内では20拠点の事業所をはじめ、全国の営業所に合計3万人の従業員が参加したが、時差の関係などで視聴できない海外の従業員には録画映像で対応した。
 奥田社長は、冒頭に「今日に至るまで、幾多の困難を乗り越え、シャープの100年にわたる輝かしい歴史を築いてきた諸先輩や取引先などお世話になってきたすべての皆さまに、心から敬意と感謝の気持ちを表したい」と、これまでの歴史を振り返る一方、「この難局を全社一丸となって乗り越えることが何よりも先決であり、新しいシャープとして生まれ変わる決意を、全員で誓う場にしたい」と、100周年を迎える今年、大きな転機を迎えている現状を示すことで、全社員で変革に取り組んでいくことを宣言した。

  

すばる望遠鏡

キヤノンの技術貢献

最大視野角3倍に拡大 

キヤノン(御手洗富士夫社長)が補正光学系を開発・製造した、新たな超広視野主焦点カメラ「Hyper Suprime‐Cam(以下HSC)」が「すばる望遠鏡」に設置され、8月28日(ハワイ時間)から性能試験を開始した。
 ハワイ島マウナケア山頂に位置する「国立天文台ハワイ観測所すばる望遠鏡」は1999年に試験観測を開始した大型光学赤外線望遠鏡。
 今回、より広視野での観測を行うために、国立天文台が、東京大学国際高等研究所・カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)をはじめとする複数の研究機関と共同で超広視野主焦点カメラ「HSC」の開発を行い、その中の補正光学系の開発、製造を同社が担った。
 望遠鏡の既存設備に搭載されるため、補正光学系全体の質量・外径に厳しい制約がある中、同社は長年培ってきた設計技術および、この補正光学系のために新たに開発した計測・精密加工技術を生かし、最大視野角を、初代主焦点カメラ「Suprime‐am」(以下SC)」用補正光学系の0・5度角から1・5度角に拡大させることに成功した。

  

NOMA

ファイリング・デザイナー検定実施

文書管理のプロ育成 

日本経営協会(NOMA)は、「第33回ファイリング・デザイナー検定」試験を12月1日に実施する。さらにその専科として、「第31回電子化ファイリング検定」試験を12月8日、「第8回公文書管理検定」を来年1月26日に実施する。電子化が進み、情報が資産として組織の重要な要素となった今、文書・記録管理の知識を備えた専門家の育成が期待されている。
 「ファイリング・デザイナー検定」は、オフィス文書の発生から廃棄まで、ライフサイクル全般を適切に管理する人材を育成する目的で平成8年に始まり毎年2回実施されている。3〜1級の概要は次の通り。
 「3級」はビジネスを行う上で必要となる情報やファイリングに関する基礎知識を問う。出題は「仕事の優先順位」「ファイリングの基本技術」など。
 「2級」は ファイリングシステムを導入・維持管理できる知識・技術を問う。出題は「文書のライフサイクル」「文書分類‐ファイル基準表の作り方」など。
 「1級」は、組織内でのトータルファイリングシステムを設計・管理・指導できる能力を問う。出題は「維持管理の方法と組織、社内教育」「ファイリング・マネージャーの役割」など。

  

2面記事】 

リコー、UVインクジェットインク開発

皮膚アレルギーなど大幅に低減

製品化へさらなる改良進める 

リコー(近藤史朗社長)はこのほど、皮膚のかゆみやかぶれなどのアレルギー性皮膚炎を引き起こす皮膚感さ性を大幅に低減した光硬化型(UV)インクジェットインクの開発に成功した。光を照射することで瞬時に硬化するという従来の光硬化型インクの特性はそのままに、印刷現場作業者への身体的影響を軽減できると期待される。
 今回は、次の3つの特徴を有する光硬化型インクジェットインクを新規開発した。
@皮膚感さ性の原因となる材料を使用しない
A安価で汎用的な原材料が使用可能なラジカル重合方式を採用
B印刷対象素材に対する高い密着性を実現し、ポリプロピレンフィルムにも使用可能

  

ニューオフィス賞表彰式開く

知識創造を具現化

近畿ブロックは19社受賞 

第25回日経ニューオフィス賞の近畿ブロック表彰式が9月7日、大阪キャッスルホテルで開かれた。
 主催者を代表してニューオフィス推進協議会の木下達司専務理事は「この賞は1986年に、当時の通産省がニューオフィス化推進を提言し、その一環として実施されて今年で25年。おそらく世界に類をみない歴史的な顕彰事業ではないかと感じている。現在では、従来の『快適』『機能性』の概念に、『感性を刺激し、創造性を高める』が加わったクリエイティブオフィスの考え方を取り入れ、賞に反映させている。昨年の全国からの応募は86件と震災の影響で過去最低だったが、今年は104件の応募があり、質も高く、皆さまの熱意と高いご見識に深く敬意を表します」と挨拶。
 後援の近畿経済産業局産業部の岡村篤蔵次長の祝辞のあと近畿ニューオフィス賞実行委員会の高橋亮司委員長は「当地は一昨年の16件、昨年18件、そして今年は19件と増加しており、傾向として新築・自社ビルが多い。経営課題を解決する明確なコンセプトをもった戦略としてオフィスづくりをされていて、特徴的、個性的なオフィスが受賞された」と講評を述べた。