1面記事】 

リコー・大塚商会・東大GUTP

産学連携で実証実験

電力の有効活用など探る 

東京大学(濱田純一総長)の東大グリーンICTプロジェクト(江崎浩代表、GUTP)とリコー(近藤史朗社長)および大塚商会(大塚裕司社長)は10月25日、東京大学本郷キャンパス内工学部2号館内においてIEEE1888技術を用いたスマートタップを用いたビッグデータ型の次世代HEMS/BEMS に関する研究開発と実証実験に着手した。
 小規模オフィスや一般家庭での利用を目的としたスマートタップとしては、大塚商会が提供するオランダのプラグワイズ社のZigBee無線技術を用いたスマートタップシステムを活用。今回研究開発したIEEE1888ゲートウェイを介して、各スマートタップの電力使用量のデータをリアルタイムに共用データベースに格納することに成功、すでに実運用に入った。
 オフィスやビルを中心とした大規模での利用を目的としたスマートタップとしては、リコーと内藤電誠町田製作所がUHF帯無線技術をベースに共同試作したスマートタップシステムを用い、IEEE1888ゲートウェイを介して、サーバ室内に存在するラックに設置された高機能サーバの電力使用量のリアルタイム監視に着手。電力使用量のデータをリアルタイムに共用データベースに格納することに成功した。

  

シャープ

「IGZO」強力に展開

スマホ・タブレット搭載モデル発表 

シャープ(奥田隆司社長)は10月23日、スマートフォン・タブレット新製品説明会を開催した。今回、低消費電力の新世代ディスプレイ「IGZO」を搭載したモデルを中心に同社のスマートフォンやタブレットをはじめとした、2012年冬〜2013年春の新製品ラインアップを紹介した。
 発表会では冒頭、大畠昌巳執行役員(通信システム事業本部長)が、国内における携帯電話市場の動向などを解説。酸化物半導体を採用した新世代ディスプレイ技術であるIGZOを業界で初めてスマートフォンに搭載したことにより、省エネ・高画質のディスプレイを実現するとともにタッチスクリーン機能の感度も大幅に向上できることを説明した。
 加えて、今後IGZO搭載モデルのラインアップを拡充することや、今年の夏モデルから搭載している「Feel Logic」のコンセプトを進化させ、よりユーザーインターフェースを向上させたスマートフォンを提案していくことを強調した。

  

富士キメラ総研

ディスプレイ市場調査まとめる

有機ELの需要拡大 

富士キメラ総研(田中一志社長)はこのほど、年間10兆円の規模をもつディスプレイデバイス市場と、関連部材やアプリケーション市場、そのトピックスを網羅する調査を実施した。この調査では、ディスプレイデバイスとそのアプリケーションの市場、パネルメーカーの事業戦略を分析したほか、LCD関連部材、PDP関連部材、有機EL関連部材、次世代デバイス関連部材の市場を分析した。
【LCD】
 2011年の市場は前年比9・4%減の8兆2千574億円となった。数量では横ばいであったが、単価の高かったTFTの単価下落と為替の影響により縮小した。
 テレビ、携帯電話(スマートフォンを含む)といった主力アプリケーションは、いずれも台数的に成熟市場である。アプリケーションそのものの伸び悩みと、スマートフォンにおける有機ELの採用増により、今後数量では微増推移になると予想される。
 一方、市場(金額)もスマートフォン向けLCDのサイズ拡大と高解像度化による単価上昇が下支えし、微増推移が考えられる。2017年には数量で約40億枚、10兆規模に回復すると予測した。

  

2面記事】 

OKIデータ

LEDプリンタ・複合機6機種投入

反転攻勢へシェア10%めざす 

OKIデータ(平本隆夫社長)は10月16日、ビジネス向けLEDプリンタ・複合機「COREFIDO2」シリーズのラインアップを強化、A3カラーLED複合機3機種と、A3モノクロLEDプリンタ3機種の合計6機種の販売開始を発表した。A3カラーLED複合機3機種で年間5千台、A3モノクロLEDプリンタ3機種で年間1万5千台の販売を見込んでいる。
 平本社長は、「2011年はタイの洪水により当社の工場が被害を受けたが、2012年はCOREFIDO2シリーズの投入により反転攻勢の年とする。ラインアップの拡充、エントリーモデルの投入、プロモーションなどの施策で販売を強化し、その効果も出ている。2012年上期は前年比で120%の成長を遂げており、今回の新製品投入で、下期も大幅な成長を予定している。国内シェア10%を目指していく」と語った。
 NIP事業部・商品企画推進部の池田暁担当課長は「新商品のA3カラーLED複合機、A3モノクロLEDプリンタ共に、LEDプリントエンジンによるシンプルな構造のため、高耐久性と、消耗品交換などのメンテナンスの簡便さを両立している。また5年保証やメンテナンス品を無償提供することで、トラブル時の突然の出費を抑えられ、企業は導入時のコストが計算しやすくなる。新製品の投入によって、COREFIDO2シリーズ全体で7万5千台に上方修正する」と語った。

  

ぶんぐ博

メーカー・卸・小売が連携

物販コーナーも新設 

大阪府下の街の文房具屋さん≠ナ構成する大阪文具事務用品協同組合(略称OBK)主催によるユーザー向け展示会『ぶんぐ博』(「第58回チームぶんきょう発オフィスフェア2012」)が10月25日、大阪・天満橋のOMMで開催。オフィスユーザーや一般消費者が多数来場し、終日賑わった(協賛=大阪文紙会館、後援=大阪府、大阪市、大紙商工会議所、大阪府中小企業団体中央会)。
 開催テーマは「大阪最大級の文具・事務用品の博覧会」。文具・事務用品・事務機器のメーカー91社が出展し、文具・紙製品、OA機器、ギフト用品、年末商材、パーソナル商品等の新製品が多彩に出品され、会場を埋め尽くした。
 開会式で金澤利治理事長(金澤英社長)は、「この日に向け1年間準備をすすめてきた。このところ大阪は市長ばかりが目立っているが、経済活動が元気に上向くよう、私たちは『チームぶんきょう』というキーワードを掲げ、この『ぶんぐ博』を盛り上げていきたい。昨今異業種の参入もみられるが、メーカー・卸・小売が協力しあって、業界としての力を出したい。8月の『文紙メッセ』との連携で今回は来場者がさらに増えると見込んでいる。新しい試みとして物販コーナーを会場外に設けた。われわれ小売はお客様に一番近い位置にいると自負しており、商品について責任をもって販売する使命がある。一生懸命来場者を接待して、今日は笑顔で帰っていただこうと思っている」と挨拶した。

  

シャープ・大阪府大

新たな学習方法を検証

電子教科書の実証実験拡大 

シャープは10月16日、大阪府立大学の看護学部と共同で、タブレット端末を活用した電子教科書の実証実験を開始したと発表した。
 これは今年6月に同大学の総合リハビリテーション学部で行った実証実験をさらに発展・拡大したもの。
 今回の実験の対象となる看護学部の学生は、これまでの状況として、在学中に長期間の臨床実習があり、実習期間中は大学への通学機会が減少、大学の図書センターなどの利用や教員による学生への指導機会が限定的だった。そのため、e‐Learning環境の整備をはじめ、より効果的な自己学習システムの開発が求められていた。
 このたび、同大学看護学部は事例学習を基盤とした看護技術の動画や問題集などのe‐Learningコンテンツを独自に開発。看護学部で使用する教科書も電子化した。
 それらをシャープ製のタブレット端末に収録し、対象学生に貸与。これらのコンテンツはキーワードで一括検索でき、複数の教材を比較しながら学習を進められるほか、手書きでのマーキングやノート機能も搭載し、通学中や実習先などで手軽に学習することが可能。