1面記事】 

カシオ

デジタルサイネージ事業に参入

店頭広告のさらなる革新めざす 

カシオ計算機(樫尾和雄社長)は、新規顧客獲得とリピート顧客増大、そして競争優位性の確立を強力に支援する新開発の「カシオサイネージ」を核に、店頭広告のさらなる革新を目指す新事業を2013年1月から日米英3か国で開始すると発表した。その後、他国にも展開する。価格は100万円程度。販売目標は、初年度(同年3月まで)に2千台、次年度に2万台を計画している。
 店頭広告は顧客に親しまれることはもちろん、強力なアテンション効果を発揮することも必要である。カシオサイネージ事業は、理想的な店頭広告ツールとクラウドサービスの連携で、新規顧客獲得とリピート顧客増大に貢献する画期的な新事業として積極展開していく。
 樫尾社長は、「独自のプロジェクタ用半導体光源技術を応用した卓上型の『カシオサイネージ』を開発し、デジタルサイネージ事業への参入を進めていく。新開発のプロジェクタ用光源を何か新しい事業に繋がらないか、カシオらしい新たな提案ができないかと考えてきた。その中で、長寿命の光源と当社が持つ小型化技術を生かせば、新しい形のデジタルサイネージが作れるという考えに行き着いた。既存のデジタルサイネージはすぐに飽きがくる。キャラクターや音声をいつでも追加・変更できることで、既存製品にはない価値が出せると考えた」と、開発の経緯を説明した。

  

コニカミノルタ、物流倉庫で展開

梱包材の資源循環

「温暖化防止」対応促す 

コニカミノルタビジネステクノロジーズ(山名昌衛社長)は、複合機の梱包材として使われる発泡スチロールを溶融してインゴット(塊)に成型し、再生材として資源循環させる取り組みを国内の基幹物流倉庫で展開している。すでに英国の販売会社が2007年から、ドイツの販売会社が2010年から、梱包材の発泡スチロールを圧縮して再資源化する取り組みを開始している。
 同社では、限りある地球資源の有効活用の最大化と資源循環をめざし、リデュース・リユース・リサイクルの3Rの取り組みをグローバルに推進している。複合機の梱包材として使われる発泡スチロールは、緩衝材として高い性能を持つ特長がある一方、使用後にかさ高いものを産業廃棄物処理業者がトラックで運搬が必要なため、より効率のよい資源循環を課題として認識していた。
 今年度は、欧州の取り組みを日本へ水平展開し、関西と関東の基幹物流倉庫に発泡スチロール減容器を導入した。まず、西日本地区の物流を担当する大阪物流センター(大阪市住之江区)で6月から試験的に発泡スチロールの溶融・インゴット化を開始し、夏から本格的に運用している。

  

理想科学

IPv6の課題抽出

「オルフィス」活用実験を実施 

理想科学工業(羽山明社長)は11月27日、アラクサラネットワークス、IPv4アドレス枯渇対応タスクフォースと共同で、IPv6を使用したプリンタを、効率的に運用する際の課題の抽出および機能要件の整理を行う運用実験を実施した。
 実験で使用した機種は、ネットワークへの直接接続機能を有した理想科学のビジネス向け高速カラープリンタ「オルフィスEXシリーズ」。
 今回の実験では、IPv4アドレス枯渇対応タスクフォースの支援により神奈川県川崎市幸区に設置したIPv6テストベッドサイトを利用し、次の3項目について実験を行った。
@IPv6対応の「オルフィスEXシリーズ」の運用性の確認
AIPv6化した次世代の企業LANやIPv6を使用した、インターネットを介してプリンタを利用する際のアドレス自動設定やクライアントへの接続情報の配布方法の検証
Bインターネットを介した次世代印刷サービスの可能性についての検討
 現在IPv4アドレスは、アジア太平洋およびヨーロッパ地域で管理している在庫がすでに枯渇し、日本国内の通信事業者の在庫枯渇も現実味を帯びてきた。

  

2面記事】 

リコー、「産業環境管理協会会長賞」を受賞

包装材のエコ化評価

複合機出荷などに利用 

リコー(近藤史朗社長)は11月26日、産業環境管理協会から「複合機の出荷に使用する循環型包装材(循環型エコ包装)」について、「資源循環技術・システム表彰」の「産業環境管理協会会長賞」を受賞した。同表彰は、同協会が廃棄物の発生抑制・再使用・再利用に寄与する優れた技術開発等の特長を有する事業を、奨励・普及を図ることにより循環型ビジネスを振興する目的で実施しているもの。
 今回受賞した循環型エコ包装は、プラスチック樹脂製で、複合機の包装材として繰り返し使用することができる。従来の包装材に比べて、包装材使用量を製品1台あたり約12`削減し、導入以来累計で約6千156dのCO2排出の低減を実現した。(データ集計期間2005/09〜2011/03/31、現在も使用継続中)
 従来の包装材は、ダンボールの外箱と底板(パレット)および発泡樹脂緩衝材で構成し、ユーザー先で開梱。不要になると配送担当者、もしくは販売店が持ち帰り、事業系一般廃棄物として処分を行うのが通常だった。循環型エコ包装は、樹脂製で耐久性に優れ、繰り返し使用が可能で、包装材の廃棄量の大幅な削減を実現した。

  

シャープ

下期に黒字化実現

「需要創造型営業」強化へ 

シャープは11月19日、東京・芝浦のシーバンスS館で、国内営業の取組みに関する説明会を開催した。庵和孝国内営業本部長(取締役常務執行役員)は、今回の中間決算の赤字を受けて、「下期は何が何でも本業で営業利益の黒字化を図る」と決意を披露した。AQUOS、太陽光発電システム、プラズマクラスター関連商品、ヘルシオ炊飯器などで着実に需要拡大を図っていく方針を明らかにした。
 庵国内営業本部長は、「平成24年3月期中間決算では、最終損益が3875億円の赤字となった。液晶パネルなどの評価損や太陽電池事業の減損など構造改革に伴う追加の費用計上を行ったのが主な原因である。ただ、売上げや営業損益は24年4〜6月期に底打ちしており、スマートフォンやタブレット端末向けの中小型液晶を収益の柱として業積が改善しつつある。白物家電や中小形液晶パネルなどの売れ行きが伸び始めており、下期では営業黒字化の目標を達成することで、再建に弾みが付きそうだ」と説明した。

  

3面記事】 

NOMA、人材開発調査まとめる

「自立行動」人材を育成

非正規・高齢者を有効活用 

日本経営協会(NOMA、茂木友三郎会長)は11月28日、『人材白書』を発表した。同白書は1995年から定点調査として行う「第15回NOMA人材開発調査」をとりまとめたもの。今回の「人材開発調査」では、高齢社会と経済構造の変化が進む中での人材開発の今と今後の方向性・課題等を展望した。調査対象者は、人事・教育部門の部長、課長、係長、マネージャー等の管理監督職。有効回答数は423件だった。
 人材開発に用いる主な手法は「OJT」(78・0%)「OFF‐JT」(84・9%)だが、このほかにも「自己啓発」(61・3%)や「通信教育」(53・1%)なども比率が伸びている。社(職)員が個人単位で行う教育手法は多様化してきている。
 実施中の人材開発の対象者は「新入社(職)員」(84・5%)、「一般社(職)員」(80・4%)、「係長・リーダー」(74・7%)、「課長級」(72・8%)が上位を占めており、若手・中堅社(職)員を中心に人材開発・教育・研修が行われている。今後重点的に教育・研修を予定または計画する対象年代は30代。中堅社(職)員の能力向上が重要という考え方が表れている。